どうも、今日は、akichanです。
皆さんは、クロスカントリーフライトしたことが、ある人も多いと思います。
でも、志しなかばで、倒れ「我が屍を越えて往け」という事も、多いと思います。
で、だいたい心ならずも、降りる事になると余り良いランディングを、確保できない事もままあります。
これは、そんなお話。
その日は今から6〜7年前。
季節は四月、その年の春の最高の気象条件。
ただ、北西風が上空で、7〜8mは吹いていた。
しかし、サーマル条件などで、風に向かって北西に進むしかなかった。
平日だったけど、4〜5人のハングフライヤーが、集まった。
そのメンバーのうち、クロカンにアタックしたのは、スクールの校長先生に、うちのクラブのエースパイロットのI氏。
それに僕。
I氏からテイクオフ、次が僕。
校長は、校長の前にテイクオフしようとした人が、スタ沈こいて、回収に時間がかかり、涙をのんで断念。
で、僕はI氏の後を追う。
最初はI氏から、だいたい300m程後ろであった。
しかし、実力の差は、サーマルで上げる度に、次第に僕を引き離していった。
I氏「甘いな、その程度の腕では私に勝つ事などできん!!」ここをクリック
「うむむ、悔しいー」
なにせ強い向かい風なので、対地で700mでヒットして1700mまで上げて進んでも、当時の角ありの機体では、2〜3kmしか進めない。
焦れば焦るほど、上手くいかなくなり、テイクオフから、数kmのうちにI氏の姿は、見えなくなってしまった。
置いていかれたことに、焦ってそのうちまともサーマルを、ヒットすることも出来なくなり、テイクオフから12〜3kmの大原の山の中の集落で、はまってしまいそこから、出られなくなってここに降りることが、決定した。
然しここは、広い田んぼとか、楽に降りられる所なんてまったく見当たらない。
「参ったなぁ、早いとこ、どっかに見つけないと」
本当はそうなる前に、見つけておく物、僕もまだまだ未熟でした。
結局その谷底の集落の中の、大きな農家の庭先の畑を見つけた。
でも、その畑は20m×50mほど、だいたいパラでもこんなとこには、降りないよ。
しかし、他に選択の余地はない。
高度処理をして、大きな茅葺き屋根を、回り込んでファイナルターンを切った。
が、少し高い。
「やばい・・・」
おまけに全然高度が落ちない。
「ひょえ〜〜〜」
畑を飛び越え、鯉のいる池を飛び越え、そこに架かっている橋を渡り、敷地の入り口に植えてある柿の木に、突っ込んだ。
「ドーン バキバキ」
柿の木の10cm以上ある太い枝を、叩き折って、ようやく止まった。
あ〜あ、やっちゃった。
でも、やってしまった事は仕方が無い。
早速、目の前の農家に向かった。
「あのぅ、すいません。ハンググライダーで降りる時に、そこの柿の木の枝を折ってしまったんですけど」
中から、おじいさんが出てきて、「オウどっがら来たのしゃ」「怪我しねがっだが?」「ああ、気にするな」
とっても気の良いおじいさんでした。
良いんですか、勝手に降りて来て、挙句に人の家の柿の木の枝叩き折ったのに。
もうひとつおまけに「すいません、迎え呼ぶのに電話貸していただけますか?」
連絡とって、回収に来てもらう事になりました。
と、ここでおじいさんが「直ぐ迎えが来んのが?」
「いえ、少しかかるみたいです。」
おじいさん「飯まだだべ、昼飯食ってげ」
え、良いんですか、こんな事したのに。
と言う事で、昼飯ご馳走になって、迎えを待つことになりました。
何でも、家の裏で採れたって言うわさび茶漬けでした。
ピリッとしてとても美味しかった。
おじいさんはこの大きい家で、おばあさんと暮らしているそう。
それで、迎えが来るまで、おじいさんの世間話につきあった。
おじいさん曰く
「この辺はな、むがす、だではんのりょうづだったがらな、やまむごうのなんぶのどごどつがって、こっづはとがいなのしゃ。」
翻訳・この辺はな、昔伊達藩の領地だったからな、山向こうの南部藩の所と違ってこっちは都会なんだ。
はぁ、全然変わんないと思うんだけど。
「どごろで、おめどごにすんでんのや」
翻訳・所でお前何処に住んでるんだ?
「はい、石巻の方に住んでます。」
「んで、おなづだではんのりょうづだなや」
翻訳・それじゃ同じ伊達藩の領地だなぁ
うーん・・・・・・なんとも。
僕が江刺とか盛岡から来たって、言ったらこのおじいさん、なんていったのかな?
そうこうしているうちに、校長が迎えにやって来た。
校長、周りを見渡し
「akichanどこに降りたの?」
叩き折った柿の木を指差して、「いやぁここなんですけど」
因みに降りた所は、すり鉢の底というか、コップの底って言う感じの地形です。
この次、この辺飛んだ時には、写真撮って来ますね。
校長、馬鹿な冗談はやめておけって、顔して
「えっここぉ」
もう一度柿の木を、指差して「ええここですけど」
周りを見回して、校長。
「本当に、ここかぁ?」
「ええ、ここですけど、その柿の木の所」
校長、呆れてこの話は終わりだって言う顔をして、「さぁI氏を迎えに行くぞ」
おじいさんに丁重に御礼をして、出発しました。
教訓・・・長く飛んでいれば、色々な所に降りることもあります。
因みにこの日、I氏は、52km飛んで、この記録は今年I氏が、自ら破るまで守られてました。